フィリピンの通貨 (Philippine currency)
1851年8月1日に、スペイン女王イザベル2世の名を取り「イザベル2世のスペイン・フィリピン銀行(Banco Espanol Filipino de Isabel II)」と名付けられた銀行が設立され、フィリピンのペソは1852年に確立されます。最初のフィリピン紙幣は、スペイン統治時代の1852年〜1865年にスペイン・ フィリピン銀行(Banco Espanol Filipino)から発行された、10、25、50pesosが最初と言われています。その後の1908年、アメリカ統治時代に、5、10、20、50、100、200pesosが発行され、1912年に、フィリピン銀行(Bank of the Philippine Islands)から、5、10、20、50、100、200pesosが発行されます。通貨単位は1966年までがPESO(ペソ)とCENTAVO(センタボ) 1 PESO=100 CENTAVO、1967年以降はタガログ語表記のPISO(ピソ)とSENTIMO(センチモ) 1 PISO=100 SENTIMOとなります。
フィリピン紙幣の歴史(History of Philippine bank notes)
- 1851年8月1日、スペイン女王イザベル2世の名を取り「イザベル2世のスペイン-フィリピン銀行(Banco Espanol-Filipino de Isabel II)」と名付けられたフィリピン銀行(Bank of the Philippine Islands)が設立されます。
- 1852年、フィリピンのペソは確立され、5月1日に最初の紙幣10、25、50ペソ・フェルテス(Pesos Fuertes)が印刷されます。
ペソ・フェルテスは、後のスペイン植民地時代、フィリピンとスペイン東インド諸島全体の通貨でした。1ペソ・フェルテスは8レアルと等価のレートでした。1861年には硬貨の生産が始まり、1ペソを100センティモ・デ・ペソに分割して、1864年にフィリピンは十進法になります。(Picture from Wikipedia)
- 1868年、スペイン革命により、イザベル2世はパリに亡命し、「イザベル2世のスペイン-フィリピン銀行(Banco Espanol-Filipino de
Isabel II)は、「スペイン-フィリピン銀行(EI Banco Espanol-Filipino)」と名前を変えます。
(Picture from Wikipedia)
- 1899年、米比戦争により、フィリピンは米国の植民地となります。
- 1903年、米国議会はフィリピンのための造幣法を承認し、1、2、5、10、20、50、100、および500ペソの銀証券を振り出します。
- 1912年、「スペイン-フィリピン銀行(EI Banco Espanol-Filipino)」は名前を「バンク・オブ・フィリピン・アイランズ(Bank of the Philippine Islands)」に変更し、5、10、20、50、100、200pesosを発行します。
- 1916年7月22日、フィリピン政府によって「フィリピン・ナショナル・バンク(Philippine National Bank)が設立されます。 (1989年に民営化されます。)
- 1918年、フィリピン・ナショナル・バンク(PNB)は、1、2、5、10、20、50、および100ペソ紙幣を発行します。これらの紙幣は1937年まで発行され、1947年まで流通しました。
- 1936年、 独立準備政府による1、2、5、10、20、50、100、および500ペソの銀証券が発行されます。
- 1941年12月8日、太平洋戦争が勃発し、日本軍のフィリピン侵攻が始まります。
- 1941年、緊急紙幣(Emergency notes) が各地で発行されます。(画像は西ビサヤ地方のイロイロ州発行の紙幣)
- 1942年、日本の占領紙幣、1、5、10、および50センタボ、1、5、および10ペソ紙幣が発行されます。
- 1943年、日本の占領紙幣、1、5、10、100、500、および1000ペソ紙幣が発行されます。
- 1944年、裏面に「VICTORY」と印刷された、「ビクトリー・シリーズ(Victory Series)」1、2、5、10、20、50、100、および500ペソ紙幣が発行されます。
- 1945年3月3日、米軍がマニラを占領します。1980年25p
- 1949年1月3日、フィリピン中央銀行(Central Bank of the Philippines)が設立されます。 フィリピン中央銀行(BSP)ロゴの原型は、ミゲル・カデルノ(Miguel Cuaderno)総裁の提案で、クリスプロ・サモラ社(Crispulo
Zamora)のダンサモラ氏(Dan Zamora)によって、1949年にデザインされました。
ロゴは、進歩のホイールを押している男性がフィリピン国家を象徴しています。背景は、国の伝統的な農産品が工業生産と商業のための基本的な成分であることを、昇る太陽光線が繁栄の夜明けを象徴しています。また、周りの円と中央銀行のテキスト「CENTRAL BANK OF THE PHILIPPINES」は、永続を象徴していて、銀行が、必要な財政、商業、および金融政策を提供することを示唆しています。
「イングリッシュ・シリーズ(English Series)」 5、10、20、50 センタボ、 half、1、2、5、10、20、50、100、200、500ペソ紙幣が発行されます。1958年にコインが発行され、センタボ紙幣は発行を終了します。
- 1967年、フィリピン中央銀行(Central Bank of the Philippines)はタガログ語を採用し、「バンコ・セントラル・フィリピネス(Bangko Sentral ng Pilipinas)」となります。
- 1969年、「フィリピーノ・シリーズ(Pilipino Series)」1、5、10、20、50、および100ピソ紙幣が発行されます。
- 1973年、「新社会シリーズ(Ang Bagong Lipunan Series)」2、5、10、20、50、および100ピソ紙幣が発行されます。
- 1979年、グレゴリオ S.リカロス(Gregorio S. Licaros)総裁の任期中に、ロゴが旧デザインに基づいて簡素化されます。
- 1985年、「ニューデザインシリーズ(New Design Series)」5、10ピソが発行されます。
- 1986年、「ニューデザインシリーズ(New Design Series)」20ピソが発行され、ピープルパワー革命の後、50、100ピソ紙幣が発行されます。
- 1987年、「ニューデザインシリーズ(New Design Series)」500ピソ紙幣が発行されます。
- 1991年、「ニューデザインシリーズ(New Design Series)」1000ピソ紙幣が発行されます。
- 1993年7月、フィリピン中央銀行(Bangko Sentral ng Pilipinas)は、新中銀法施行に伴い、旧フィリピン中央(Central Bank of the Philippines)の業務を継承するかたちで設立されます。
1993年、ロゴが変更され、5センチモを除いた新規発行のすべてのコインと紙幣に使用されました。
ロゴは、進歩のホイールの中に形成されたフィリピンの旗、登る太陽、及び山がデザインされ、周囲を「BANGKO SENTRAL NG PILIPINAS」により囲まれています。
ホイールは国の経済成長を表していて、旗は国を象徴し、フィリピンの人々の国家主義と統一を表現しています。登る太陽は、明るい将来と国の一新された精神を意味し、山は安定性を表しています。
- 1998年、「ニューデザインシリーズ(New Design Series)」の10ピソ紙幣がデザイン変更されます。
- 2002年、「ニューデザインシリーズ(New Design Series)」200ピソ紙幣が発行されます。
- 2010年、BSPのロゴが変更されました。安定性を意味する青色の円形で、中央銀行の3つの柱を意味する3つの金の星と白のストロークで描画様式化されたフィリピン・イーグルを特徴としています。半円形に描かれた金のラインと「BANGKO
SENTRAL NG PILIPINAS」のテキストは、自由と開放性、そして準備を意味していて、フィリピン・イーグルに表されているように、急上昇し、そのゴールに飛んで行くために開放されています。
- フィリピンイーグルはフィリピンの国鳥、世界最大のワシとされ、強さ、明確なビジョンと自由の象徴を表しています。
- 3つの星は、中央銀行の3つの柱、物価の安定、安定した金融システム、安全で信頼性の高い決済システムを表しています。
- 青色の背景は安定性を意味しています。
- 金の星は、知恵、富、理想主義、および高い品質を象徴しています。
- ワシの白い色及びBSPのテキストは、純粋さ、中立、および明るい精神を表しています。
- 同年、12月16日に新世代の紙幣シリーズ(New Generation Banknote Series)が公表され、20、50ピソ紙幣が流通を始めます。
- 2011年、新世代の紙幣シリーズ(New Generation Banknote Series)の100、200、500、1000ペソが流通を始めます。
リンク先の紙幣はデザインのみ参考にしてください。
署名と年号
年 | フィリピンの大統領 | 銀行の総裁 |
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1899年1月23日〜 1901年3月23日 |
エミリオ・アギナルド (Emilio Aguinaldo) |
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1935年11月15日〜 1944年8月1日 |
マニュエル・ケソン (Manuel Quezon) |
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1943年10月14日〜 1945年8月17日 |
ホセ・ラウレル (Jose P. Laurel) |
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1944年8月1日〜 1946年5月28日 |
セルヒオ・オスメニャ (Sergio Osmena) |
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1946年5月28日〜 1948年4月15日 |
マニュエル・ロハス (Manuel_Roxas) |
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1948年4月15日〜 1949年1月2日 |
エルピディオ・キリノ (Elpidio Quirino) |
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Central Bank of the Philippines | ||
1949年1月3日〜 1953年12月29日 |
エルピディオ・キリノ (Elpidio Quirino) |
Miguel Cuaderno, Sr. 1949年〜1960年 |
1953年12月30日〜 1957年3月17日 |
ラモン・マグサイサイ (Ramon Magsaysay) |
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1957年3月17日〜 1960年 |
カルロス・ガルシア (Carlos P. Garcia) |
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1961年〜 1961年12月29日 |
Andres V. Castillo 1961年〜1967年 |
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1961年12月30日〜 1965年12月29日) |
ディオスダド・マカパガル (Diosdado Macapagal) |
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1965年12月30日〜 1967年 |
フェルディナンド・マルコス (Ferdinand Marcos) |
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1968年〜 1970年 |
Alfonso Calalang 1968年〜1970年 |
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1970年〜 1981年 |
Gregorio S. Licaros 1970年〜1981年 |
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1981年〜 1984年 |
Jaime C. Laya 1981年〜1984年 |
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1984年〜 1986年2月26日 |
Jose B. Fernandez, Jr. 1984年〜1990年 |
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1986年2月25日〜 1990年 |
コラソン・アキノ (Corazon Aquino) |
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1990年〜 1992年6月29日 |
Jose L. Cuisia, Jr. 1990年〜1993年 |
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1992年6月30日〜 1993年7月 |
フィデル・ラモス (Fidel Ramos) |
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Bangko Sentral ng Pilipinas | ||
1993年7月〜 1998年6月29日 |
フィデル・ラモス (Fidel Ramos) |
Gabriel C. Singson 1993年〜1999年 |
1998年6月30日〜 1999年 |
ジョセフ・エストラダ (Joseph Estrada) |
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1999年〜 2001年1月20日 |
Rafael B. Buenaventura 1999年〜2005年 |
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2001年1月20日〜 2005年7月 |
グロリア・マカパガル・アロヨ (Gloria Macapagal Arroyo) |
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2005年7月〜 2010年6月30日 |
Amando M. Tetangco, Jr 2005年7月〜 |
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2010年7月1日〜 | ベニグノ・アキノ3世 (Benigno Aquino III) |