銃の話題(Topics of guns)
松本城の鉄砲蔵
長野県の松本城は、長野県松本市にある城で、天守は国宝に指定されています。 現存する天守閣ではもっとも古い遺構のもので、全体に黒塗りのため、烏城(からすじょう)とも呼ばれています。1504年(永正元年)に、小笠原一族が築いた深志城(ふかしじょう)が始まりで、甲斐の武田氏、徳川家康と支配が変わり、1582年(天正10)、小笠原貞慶が復帰し名を松本城と改めました。2階が鉄砲蔵で、火縄銃や鉄砲に関する資料などが展示されています。内容(Contents)
鉄砲伝来

日本初の大筒は、1576年(天正4年)九州の大名、大友義鎮(おおともよししげ)がポルトガルから入手したものと言われています。
火蓋(ひぶた)を切る

火縄銃の射撃までの動作
- 火薬と弾丸を筒先から詰め込みます。
- 朔杖(かるか)と呼ばれる木の棒を使い、銃口から込めた火薬と弾を押し込めます。
- 火皿に口薬(くちぐすり)と呼ばれる火薬を載せます。
- 火蓋を閉じて火皿を保護し、火の付いた火縄を火鋏に付けます。
- 火蓋を切り(火蓋を開け)引き金を引き、発射します。
鉄砲銃身

荒巻が終わったら合わせ目を熱して沸付(わかしず)けし、再度、真金を入れ良くなじませ、丸くします。数物の「番筒」はこのままですが、高級な銃身はさらに、葛(かずら)と呼ばれる和鉄を、リボン状に巻き付け、接合部が見えなくなるまで鍛えて仕上げます。次に尾栓のネジを工作して取り付け、巣口をヤスリ仕上げをし、銃腔内研磨等をし、上身に前目当、先目当、横に火皿を取り付けて完成します。この方法は巻張(まきばり)、あるいは倦成(けんせい)と呼ばれた技法で、世界的に使われた製法です。他に、細長い鉄板を縦に丸める「饂飩張(うどんばり)」と言われる製法があります。
(参考:松本城展示添え書)
銃尾栓
丸棒にタガネでネジ山を作り、雄ネジを作ります。次に、銃身を熱し雄ネジをはめ込み、鍛えながら雄ネジを回して抜く作業を繰り返し、雌ネジを形成したと考えられます。鉄炮の材料には、炭素濃度0.1%以下という軟鉄が使用されていることや、その金属組織の中に含まれる介在物に、鉄-チタン酸化物の鉱物が含まれていないことから、刀剣とは異なる鉄素材によって作られていることが分かっています。
ギャラリー(gallery)
火打式短銃(フリントロック式)

■ 全長:406mm ■ 銃身長:257mm ■ 口径:14.0mm ■ 装弾数:1 ■ 重量:1000g
火打式短銃(フリントロック式)
管打式短銃(パーカッション式)

■ 全長:210mm ■ 銃身長:146mm ■ 口径:10.6mm ■ 装弾数:1 ■ 重量:400g
管打式短銃(パーカッション式)
ピン打ち式銃(ピンファイヤー式)

■ 全長:242mm ■ 銃身長:153mm ■ 口径:7.0mm ■ 重量:1000g
ピン打ち式銃(ピンファイヤー式)