千葉県:日蓮聖人ご幼像
誕生寺(たんじょうじ)は、千葉県鴨川市小湊にある、日蓮宗の大本山で、日蓮聖人の誕生を記念して出身地に建立されました。
建立したのは、日蓮聖人の直弟子の中でも中老僧と呼ばれる、日家(にけ)上人と日保(にほ)上人で、1276年(建次2年)に寺基(じき)が定められたと伝えられています。
2人は勝浦市興津の領主佐久間氏の出身で、興津には、日蓮最初の開基(かいき)寺院、妙覚寺(みょうかくじ)を開いています。
誕生時が創建された場所は、現在の境内の南西約300mの沖合で、1498年(明応7年)の大地震のために、海中に没してしまい、その場所は蓮華ヶ淵(れんげがふち)といわれています。誕生時は、地震や津波による寺地の移転、大火による伽藍(がらん)の焼失などの度に復興され、現在に法灯(ほうとう)を伝えてきました。
日蓮聖人ご幼像は、1935年(昭和10年)の建立で、右手に数珠、左手に経巻を持った銅像で、日蓮聖人がまだ善日麿(ぜんにちまろ)と称していた12歳の日の姿だそうです。
この銅像は、第2次世界大戦の激化によって、多くの金属製品と共に戦時供出されたそうですが、戦後ほとんど無傷で発見され、1946年(昭和21年)、欠けていた左手も修復され、誕生寺へと戻り元のように安置されたそうです。
清澄山には、聖人32歳、昇る朝日に向かってお題目を唱え立教開宗を天地に宣言する青年日蓮の像があります。
撮影2016年10月9日