旅2009年 (Journey 2009)
栃木県:益子陶器市の愛の兜
益子陶器市は、栃木県芳賀郡益子町で行われる陶器市で、1966年(昭和41年)から始まり、例年、春のゴールデンウイークと秋の11月3日前後に開催されます。販売店約50店舗の他約500のテントが立ち並び、伝統的な益子焼から、カップや皿などの日用品、美術品まで販売されます。焼物だけでなく地元農産物や特産品の販売も行われます。 2009年4月29日の初日から5月7日までの8日間の観光客数は551,040人で陶器市始まって以来、55万人を突破したそうです。(益子町観光協会)愛の兜は、上杉家家老、直江兼続(なおえ かねつぐ)所用として米沢市の上杉神社稽照殿に伝わっています。この愛の字は、俗説として「仁愛」や「愛民」の精神に由来するとも言われていますが、当時、神名や仏像を兜や旗などにあしらう事は広く一般に行われていたことから、「愛染明王」または「愛宕権現」の信仰を表したものとも言われています。 直江兼続は、1560年(永禄3年)に樋口兼豊の長男として、越後の坂戸城下(現在の新潟県南魚沼市)に生まれました。1564年(永禄7年)に上杉輝虎(謙信)の養子となった長尾顕景(上杉景勝)に従って春日山城に入り、そのまま景勝の小姓・近習として近侍したと言われています。 上杉謙信急死後の1578年(天正6年)の御館の乱では、景勝方に付き、1581年(天正9年)には、跡取りの無くなった直江家を継いで越後与板城主となります。1584年(天正12年)から、兼続は内政・外交の取次の殆どを担うようになります。