旅2008年 (Journey 2008)
宮城県:鳴子こけし造りのロクロ
鳴子温泉(なるこおんせん)は、宮城県大崎市にある温泉で、826年(天長3年)に起きた鳥屋ヶ森山の噴火で、現在の温泉神社より温泉が湧出し始めたのが鳴子温泉の始まりと言われています。本来は「なるご」と濁音で読むそうです。福島県の飯坂温泉、宮城県の秋保温泉とともに奥州三名湯に数えられています。鳴子こけしは、江戸時代中期以後に、東北地方の温泉土産として生まれたものと伝えられています。宮城県内には、鳴子(なるこ)こけし、作並(さくなみ)こけし、遠刈田(とおがつた)こけし、弥治郎(やじろう)こけし、肘折(ひじおり)こけしの5つの伝統こけしがあります。
ロクロは、「轆轤」と書き、本来は井戸の釣瓶(つるべ)を上下するときの滑車(かっしゃ)の部分を言います。現在ロクロと呼ばれているものは、工作物を回転体の形状に成型したり、磨いたりする道具を言います。日本では製陶用も木工用も回転運動する道具をロクロと呼んでいます。
乾燥した材料を鋸引きし、ナタやチョウナを使って円筒形に荒削りしていきます。これを木取りと言います。 木取りされた材料は、ロクロの軸に取り付け、回転させながらカンナをかけて削っていきます。これを木地挽きと言います。 頭挽き、胴挽きし、胴体を回転させ摩擦を利用して首を入れます。これは鳴子独特の工法です。最後に絵付けをして鳴子こけしが完成します。