旅2007年 (Journey 2007)
千葉県:誕生寺の梵鐘
誕生寺(たんじょうじ)は、千葉県鴨川市小湊にある、日蓮宗の大本山で、日蓮聖人の誕生を記念して出身地に建立されました。 建立したのは、日蓮聖人の直弟子の中でも中老僧と呼ばれる、日家(にけ)上人と日保(にほ)上人で、1276年(建次2年)に寺基(じき)が定められたと伝えられています。 2人は勝浦市興津の領主佐久間氏の出身で、興津には、日蓮最初の開基(かいき)寺院、妙覚寺(みょうかくじ)を開いています。 誕生時が創建された場所は、現在の境内の南西約300mの沖合で、1498年(明応7年)の大地震のために、海中に没してしまい、その場所は蓮華ヶ淵(れんげがふち)といわれています。誕生時は、地震や津波による寺地の移転、大火による伽藍(がらん)の焼失などの度に復興され、現在に法灯(ほうとう)を伝えてきました。梵鐘は、1804年から1818年の文化年中の建立と伝えられています。現在の梵鐘は戦後の1949年(昭和24年)に再興されたものだそうです。梵鐘の主な役割は本来は法要など仏事の予鈴として撞(つ)く仏教の重要な役割を果たすものです。 朝夕の時報、暁鐘(ぎょうしょう)、昏鐘(こんしょう)にも用いられています。梵鐘は単に時報として撞かれたものではなく、その響きを聴く者は一切の苦から逃れ、悟りに至る功徳があるとされているそうです。