旅2007年 (Journey 2007)
長野県:松本城の石垣
松本城は、長野県松本市にある城で、天守は国宝に指定されています。 現存する天守閣ではもっとも古い遺構のもので、全体に黒塗りのため、烏城(からすじょう)とも呼ばれています。1504年(永正元年)に、小笠原一族が築いた深志城(ふかしじょう)が始まりで、甲斐の武田氏、徳川家康と支配が変わり、1582年(天正10)、小笠原貞慶が復帰し名を松本城と改めました。石垣は、野面積(のづらづみ)という積み方で、未加工の自然石を使用した石垣で、傾斜も緩くなっています。 天守・乾小天守・渡櫓の石垣は修理を施していますが、400年前に積まれたままで積み替えは行われていないそうです。 松本城は平城のため、堀の水を確保するため湧水地帯に造られています。そのため、天守を建てる土地は軟弱地盤でした。湿地帯の水掘側石垣下の根石の下には、丸太が筏(いかだ)の形に並べられた、筏地形(いかだじぎょう)で、根石が沈んでいかないようにしたり、地盤が前にせり出していかないように工夫されていたそうです。現在は鉄筋コンクリートの柱が入っているそうです。
石垣表面に出ている石面は大きくはないのですが、奥に向かって、長い石が用いられていて、しっかり組み合わさっているそうです。石垣の隅部は、石の長い方と短い方の向きを互い違いに組む「算木積(さんぎづみ)」という組み方がされています。