フィリピンの貿易銀貨 (Philippines Trade dollar)
1900年 香港ドル
1895年〜1935年に発行、材質(Material):90%銀(Silver)、直径(Diameter):39.0mm、重量(Weight):26.9g。
左 「ONE DOLLAR」「1900」イギリスを擬人化した女神ブリタニア(Britannia)。
右 「壹圓」。
清国では1696年に広東がイギリスとの貿易地として事実上開港され、1757年には公認の開港地となります。主にイギリスとの貿易においてメキシコ・ドルが多量に流入し華南一帯で流通するようになります。阿片戦争の結果、1842年8月29日に南京条約において香港がイギリスに割譲されることとなり、1864年にイギリスは香港に造幣局を設立し、1866年から量目416グレーン(26.957グラム)、品位90%の一圓銀貨(1ドル銀貨)の製造を始めます。これは女神の肖像と対面に「壹圓」および「ONE
DOLLAR」と額面が表記されていました。しかし多量に流通しているメキシコ・ドルに対し、この一圓銀貨は市民権を得ることなく1868年には製造停止となり、造幣局も閉鎖となります。このときの造幣局長、キンドルは、後に設立された日本の造幣寮の首長となり、不要となった造幣機械も日本へ売却移送されます。
その後、イギリスは、1895年から、香港やマレー半島(シンガポール)及び海外植民地などの貿易流通用の銀貨を発行します。1903年に各海外植民地ごとに専用の貨幣が製造されるようになると、他の植民地では流通されなくなり、以降は主に香港向けとして1935年まで製造が続けられました。
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