フィリピンの硬貨 (Philippine coins)
1983年 5 SENTIMO
1983年〜1993年に発行 ●材質(Material):アルミニューム ●直径(Diameter):17mm ●重量(Weight):1.2g。
左 「REPUBLIKA NG PILIPINAS」「1983」メルチョラ・アキノ(Melchora Aquino)。
右 「5 SENTIMO」 ワリン・ワリン(Waling Waling)
メルチョラ・アキノ(Melchora Aquino de Ramos)は、1812年にマニラのカロオカン(Caloocan)で生まれました。彼女は「タンダン・ソラ(Tandang
Sora)」として知られ、フィリピン革命の母といわれています。タンダン(Tandang)は、タガログ語のマタンダ(matanda)のことで「ソラばあさん」となります。彼女は裕福な家庭に生まれ、カティプナンのメンバーを財政的に支え、待避所として土地を提供、負傷兵や病人の看護にあたる一方、食糧を与えて革命軍を支援しました。1896年、スペインは反乱罪で彼女をグァムに追放します。1907年、米国統治時代に91歳で帰国し、1919年、107歳で亡くなります。
ワリン・ワリン(Waling Waling)は、ラン科の植物で、学名をバンダ・サンデリアナ(Vanda sanderiana)。1882年にミンダナオ島でドイツ分類学者のハインリッヒ・グスタフ・レイチェンバック(Heinrich
Gustav Reicheinback)により発見されました。花は香りがあり、平開し径6〜11cm、淡紅色〜淡黄色地に紫褐色の点がはいります。唇弁は紫褐色〜赤褐色。開花は7月〜10月の間に1回咲きます。分類上はエウアンテ(Euanthe)とされますが、園芸上はバンダ(Vanda)に含められ、交配種の登録もバンダとされています。
フィリピンには1000種類以上のランがあると言われています。中でもワリン・ワリンは「ランの女王」と言われ、フィリピンにしか分布しないランで、ミンダナオ島(mindanao)のダバオ州(Davao)、スルタン・クダラット州(Sultan
kudarat)、およびミンダナオの他の部分の雨林の木幹に見ることができます。 近年、ミンダナオでは着生するフダバガキ科の木で覆われる熱帯低地林の伐採が進み、ワリン・ワリンは絶滅の危機にあるそうです。