銃の歴史
コルト シングルアクションアーミー (Colt Single Action Army)
コルト シングルアクション アーミーは、1873年にコルト社が発売した、45口径の金属薬莢を使用した回転式拳銃。1872年に行われたアメリカ陸軍の採用試験で、スミス&ウェッソンモデル3を押さえ、1975年にアメリカ陸軍の制式拳銃に選ばれ、コルト
M1873 シングル アクション アーミーと呼ばれます。
1876年にはコルト社に8000丁の発注が行われた。その後1890年までに37060丁を納入しています。1896年に無煙火薬用にフレームが強化され、シリンダーピン止めネジがフレーム貫通式に変更となります。1940年に、第2次世界大戦で製造中止となり、1947年に生産が再開し、戦後モデルと呼ばれました。このコルト社の代表作となったSAA(Single
Action Army)は、ピースメーカー「調停者」という愛称でも呼ばれ、現在まで基本構造を変えないまま製作され続けています。
SAAは、コルト社のパーカッション式リボルバーのシリンダー上部にフレームを渡して強度改善を図る設計で、撃鉄をハーフ・コックにしてから回転式弾倉後部のローディングゲートを開け、そこから弾薬を1発ずつ装填、排莢する方法を採用しています。同時期に存在したスミス&ウェッソン社製のリボルバーや、レミントン・ニューアーミーなどは、弾倉の軸を抜くことにより、弾倉を交換する機構を持っていて、予備の弾倉を所持しておく事で素早い装填が可能でした。しかし、SAAの固定フレームと単純なメカニズムによる信頼性、.45LC(ロングコルト)弾の威力は、1911年に制式拳銃がコルトM1911に更新されるまで、アメリカ軍の将兵から評価を得ていました。
SAAは発売当初、銃身のサイズは7.5インチでしたが、その後5.5インチ、4.75インチと長さを短くしたモデルが揃えられます。7.5インチのモデルを「キャバルリー(騎兵)」、5.4インチを「アーティラリー(砲兵)」、4.75インチを「シビリアン(市民)」と呼んでいます。
装弾数は6発。弾薬には.45LC(ロングコルト)弾を使用します。他に、ウィンチェスターライフルと弾薬の互換性を持たせるため、.44-40弾を使用する物も存在しています。
民間向け.44-40口径モデルの「フロンティア」、民間向け.45口径モデルの「ピースメーカー」、砲兵向け約5.5インチモデルの「アーティラリー」、騎兵向け約7.5インチモデルの「キャバルリー」、キャバルリーより長い最低8インチ、最高14インチの長銃身型を総称した「バントライン・スペシャル」、エジェクターレスの「シェリフズ」等があります。
民間向けのモデルはすべて「シビリアン」と呼ばれ、代表的な4.75インチをはじめとする各種銃身長が用意されていた。口径では.45LC弾や.44-40弾を使用するものの他に、.22口径モデルなど36種のバリエーションが存在しました。
写真は、1913年の5 1/2インチモデルで、45ロングコルトを使用します。