序論(Introduction)

タービン・エンジン(turbine engine)は、圧縮機で空気を圧縮して燃焼室に送り込み、燃料を燃焼室に吹き込んで燃焼させ、その際に発生した高温・高圧の燃焼ガスでタービンを回転させ、軸出力として取り出すか、あるいは燃焼ガスの熱エネルギーを膨張・排気し、推力を得る方式のエンジンです。
タービン・エンジンは、レシプロエンジンとは異なり、連続的に圧縮・燃焼・膨張・排気され、燃焼は一定圧力のもとで行われます。理論サイクルはブレイトンサイクルです。ガスタービンの概念は、1791年(寛政3年)に英国のジョン・バーバー(John Barber)により考案され、ノルウェイのイェンス・ウイリアム(Jens William Aegidus Elling)が、1884年(明治17年)に特許を取得し、運転は1903年(明治36年)に行われました。世界最初のジェット飛行は、1939年(昭和14年)8月27日、ドイツのハンス・フォン・オハイン(Hans Joachim Pabst von Ohain)の、ガスタービン式ジェットエンジンを積んだ、「ハインケル航空機」のHe-178試作機が実現しました。 タービン・エンジンが民間航空に導入されたのは1952年(昭和27年)5月に就航したデハビランド・コメットI型旅客機で、エンジンはGhost型ターボジェットでした。 自動車レースの世界では、1963年(昭和38年)と1965年(昭和40年)に、イギリスのローバーがガスタービンを搭載した車を、ル・マン24時間レースに出場させ、アメリカのSTPが、ボーイング製のエンジンを搭載した車をインディ500に出場させました。【タービン(turbine)はラテン語のturb=こま】

タービン・エンジンの分類(classification)

(1) ターボジェット・エンジン(turbojet engine)
タービンの軸出力で、圧縮機を駆動し、エンジンの出す排気エネルギーを推力とするエンジンです。
(2) ターボファン・エンジン(turbofan engine)
タービンの軸出力で、圧縮機を駆動し、追加されたタービンで推力用のファンを回すと共に、エンジンの出す排気エネルギーを推力とするエンジンです。排気ガスの噴流速度は減少しますが、ファンを含む全体の空気流量は増してエンジンの推力が増加します。
(3) ターボプロップ・エンジン(turboprop engine)
タービンの軸出力で、圧縮機と、約1/10の減速器を介した推進用のプロペラを駆動し推力を得るエンジンです。
(4) ターボシャフト・エンジン(turboshaft engine)
タービンの軸出力で、圧縮機を駆動し、機械的に独立したフリー・タービン(free turbine)の軸出力を減速して動力とするエンジンです。主に、ヘリコプターの動力に用いられています。

タービン・エンジンの構造(engine construction)

(1) 圧縮機(compressor)
オットーサイクルの圧縮行程同様に、タービン・エンジンに於いても、燃焼エネルギーは、空気の質量に比例することから、与えられた容積内で処理できる空気量を増すために圧縮は必要不可欠となります。エンジンの入り口でこの働きをするのが圧縮機で、圧縮機を動かす動力はタービンです。
(2) 燃焼室(combustion chamber, burner)
圧縮された高圧の空気に燃料を送って燃焼させ、タービンに適した高温ガスを作る部分で、燃料は前端付近で霧化されて燃焼します。エンジンを始動するときのみ点火プラグを必要としますが、着火した後は持続して燃焼します。
(3) タービン(turbine)
燃焼室からの高温・高圧ガスを膨張させ、そのエネルギーを圧縮機の駆動または軸出力として取り出す装置を言います

アニメーション(Animation)

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