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フィリピンの歴史(History of the Philippines)

わが最後の別れ(MI ULTIMO ADIOS)

わが最後の別れ(MI ULTIMO ADIOS) リサールは処刑の前日の1896年12月29日の0時から5時の間にこの詩を書いたそうです。『1896年12月29日の午後に、リサールのところへ彼の母、2人の妹と2人の甥が訪問し、リサールはアルコールストーブ(cocinilla)に何かがあると妹のトリニダード(Trinidad)に英語で話します。家族が帰ろうとしているときに、アルコールストーブが護衛によって妹のナーシャ(Narcisa)に渡されます。アルコールストーブには、折り重ねられた無記名・無題そして、日付のない詩が書かれたメモが入っていました。』 リサールの遺言となった2枚の小さな紙は、カビーテ(Cavite)でコピーされて、献身的な愛国心が、より革命家の国家主義的な熱意を示唆しました。 詩にはタイトルはありませんでしたが、1897年に、わが最後の別れ(MI ULTIMO ADIOS)のタイトルで香港にて発表され国際的に有名になりました。
写真はサンチャゴ要塞の中で、わが最後の別れ(MI ULTIMO ADIOS)を書くリサール。

内容(Contents)

MI ULTIMO ADIOS
わが最後の別れ

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Adiós, Patria adorada, región del sol querida,
さようなら愛する祖国、懐かしい太陽の地よ、
Perla del Mar de oriente, ¡nuestro perdido Edén!
東洋の真珠、今は無き我が楽園よ!
A darte voy alegre la triste mustia vida,
喜んで君に捧げよう、貧しきやつれたこの命を、
Y fuera más brillante, más fresca, más florida,
たとえ輝きに満ちていて、一生清らかで花咲くような私であったとしても、
También por ti la diera, la diera por tu bien.
やはり、君の為にこの命を捧げよう、君の幸せの為に、この身を捧げよう。

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En campos de batalla, luchando con delirio
戦場では、人々が激しく戦っている、
Otros te dan sus vidas sin dudas, sin pesar;
信じて惜しまず、君に命を捧げている、
El sitio nada importa, ciprés, laurel o lirio,
何処でもいい、糸杉、月桂樹、又は虹彩、
Cadalso o campo abierto, combate o cruel martirio,
処刑台とか広々とした野原や、戦闘とか悲惨な殉死、
Lo mismo es si lo piden la Patria y el hogar.
どれも同じだ、祖国と同胞が望むのなら。

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Yo muero cuando veo que el cielo se colora
黒いとばりのあと、空が明け初めて、
Y al fin anuncia el día, tras lóbrego capuz;
ついに日の出を告げるときに、私は死ぬのだ、
Si grana necesitas para teñir tu aurora,
もし、曙を染めるのに紅が要るのなら、
Vierte la sangre mía, derrámala en buen hora
私の血で染めよう、頃良いときにまき散らし、
Y dórela un reflejo de su naciente luz.
差し昇る君の光で金色に照らして欲しい。

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Mis sueños cuando apenas muchacho adolescente,
一途な少年の頃の、私の夢、
Mis sueños cuando joven ya lleno de vigor,
すでにたくましい青年になった頃の、私の夢、
Fueron el verte un día, joya del Mar de oriente,
それは、いつの日か、東海の宝石よ、
Secos los negros ojos, alta la tersa frente,
黒い瞳に涙はなく、つややかな額は広く、
Sin ceño, sin arrugas, sin manchas de rubor.
顔には、不機嫌な表情は無く、きずやしわも無かった。

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Ensueño de mi vida, mi ardiente vivo anhelo,
我が生涯の夢、今も燃え立つような私のあこがれ、
¡Salud! te grita el alma que pronto va a partir;
乾杯、私の魂が君に叫ぶ、もうすぐ出発だ、
¡Salud! ah, que es hermoso caer por darte vuelo,
乾杯!ああ何と素晴らしいことか、君に翼を預けて倒れるとは、
Morir por darte vida, morir bajo tu cielo,
君の空の下で死ぬために、君に身を託してゆく、
Y en tu encantada tierra la Eternidad dormir.
そして君の麗しの大地でとこしえに眠ります。

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Si sobre mi sepulcro vieres brotar un día
いつの日か、私の墓に茂る草むらに、
Entre la espesa yerba sencilla, humilde flor,
ひっそり咲く花を見つけたら、
Acércala a tus labios y besa al alma mía,
君の唇を寄せて、私の魂に口づけしてくれ、
Y sienta yo en mi frente, bajo la tumba fría,
そして、冷えた墓の下で、わたしは額に感じるのだ、
De tu ternura el soplo, de tu hálito el calor.
君の愛情の息吹、君の吐息の温もりを。

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Deja a la luna verme con luz tranquila y suave,
月には、穏やかな柔らかい光で私を照らしてもらおう、
Deja que el alba envíe su resplandor fugaz,
朝日は、そのひとときの輝きを映してくれ、
Deja gemir al viento con su murmullo grave,
風には、重々しく低い声で唸ってもらおう、
Y si desciende y posa sobre mi cruz un ave,
そして、一羽の鳥が舞い降りて、私の十字架にとまったら、
Deja que el ave entone su cántico de paz.
鳥には平和の歌を歌ってもらおう。

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Deja que el sol, ardiendo, las lluvias evapore
残った太陽は燃え、雨は消え去り、
Y al cielo tomen puras, con mi clamor en pos;
そして、澄み渡った空に、私の叫び声を捜してくれ。
Deja que un ser amigo mi fin temprano llore
友は、私の早い死に、涙を流してくれ、
Y en las serenas tardes, cuando por mí alguien ore
そして、穏やかな午後に、私のために誰かが祈ることがあれば、
Ora también, ¡oh, Patria, por mi descanso a Dios!
祖国よ、私の神への休息のために君も祈ってほしい!

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Ora por todos cuantos murieron sin ventura,
幸せ無くして死んだ人々のために祈ってくれ、
Por cuantos padecieron tormentos sin igual,
不当な拷問でどれほど苦しんだことか、
Por nuestras pobres madres, que gimen su amargura;
悲運に泣いた貧しい母のために、
Por huérfanos y viudas, por presos en tortura
拷問に苦しんだ囚人たちのため、孤児や未亡人のために、
Y ora por ti, que veas tu redención final.
そして君自身のために、祖国に解放が訪れるよう祈ります。

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Y cuando, en noche oscura, se envuelva el cementerio
そして、夜のとばりが墓場をつつむ時、
Y solos sólo muertos queden velando allí,
ただ死者だけがあたりを見守るようなときには、
No turbes su reposo, no turbes el misterio,
その安らぎを乱さないでほしい、その神秘をあばかないでほしい、
Tal vez acordes oigas de cítara o salterio,
竪琴の調べが聞こえてきたら、おそらく、
Soy yo, querida Patria, yo que te canto a ti.
それが私だ、愛する祖国よ、私が君に歌っているんだ。

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Y cuando ya mi tumba de todos olvidada
そして、私の墓が忘れられたとき、
No tenga cruz ni piedra que marquen su lugar,
その跡を示す、十字架や石が消え去れば、
Deja que la are el hombre, la esparza con la azada,
男に耕させて、すきでそれを散らしてくれ、
Y mis cenizas, antes que vuelvan a la nada,
そして、私の灰は無に帰るのではなく、
El polvo de tu alfombra que vayan a formar.
君の大地を敷きつめる粉となるのだから。

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Entonces nada importa me pongas en olvido.
そうしてくれたら、忘れられても構わない。
Tu atmósfera, tu espacio, tus valles cruzaré.
私は君の大気、君の空間、君の谷間に漂う、
Vibrante y limpia nota seré para tu oído,
そして私は君の耳に響き渡る清らかな調べに、
Aroma, luz, colores, rumor, canto, gemido
香り、光、色、さやめき、さえずり、うなり、
Constante repitiendo la esencia de mi fe.
私の信じることを繰り返しながら。

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Mi Patria idolatrada, dolor de mis dolores,
私が愛した祖国よ、私の悩みの中の悩み、
Querida Filipinas, oye el postrer adiós.
親愛なるフィリピン、最後の別れを聞いてほしい。
Ahí te dejo todo, mis padres, mis amores.
私はあなたにすべてを託そう、私の両親、私の愛する人々も。
Voy donde no hay esclavos, verdugos ni opresores;
私は行くのだ、奴隷も刑吏も抑圧者もないところへ、
Donde la fe no mata, donde el que reina es Dios.
信頼が人を殺さぬところへ、治めるものが神であるところへ。

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Adiós, padres y hermanos, trozos del alma mía,
さようなら、父母、兄弟たち、私の魂の破片、
Amigos de la infancia, en el perdido hogar;
今は過ぎ去った、家で遊んだ幼友達、
Dad gracias que descanso del fatigoso día;
苦しみの日々を離れ、休息することに感謝します。
Adiós, dulce extranjera, mi amiga, mi alegría,
さようなら、いとしい外国の地、私の友人、私の幸せ、
Adiós, queridos seres morir es descansar.
さようなら、親愛なる人たち、死は休息なのだよ。

(Images from Wikimedia Commons)